指定廃棄物最終処分場の建設に反対

栃木県における指定廃棄物最終処分場 詳細調査候補地選定結果に対する声明

塩谷町寺島入地区が栃木県における指定廃棄物最終処分場詳細調査候補地に選定されたことについて

 

 特定非営利活動法人くまの木里の暮らしは、栃木県塩谷町にある「塩谷町やすらぎの体験交流施設(愛称:星ふる学校「くまの木」)」(以下、星ふる学校「くまの木」と表記します。)を拠点として、次世代につながる魅力ある地域づくりに寄与することを目指し、地域の資源や農山村の環境を活用した体験交流にかかる事業などを展開しています。また、自然の営みと人々の暮らしが調和する社会の実現もわたしたちの活動の大きなテーマです。

 このたび、塩谷町寺島入地区が栃木県における指定廃棄物最終処分場詳細調査候補地に選定されましたが、わたしたちは、以下の理由により当該地区における指定廃棄物最終処分場の建設は受け入れがたく、詳細調査の実施にも反対します。

 

1.施設運営の点から

 わたしたちの事業の中心は、閉校となった熊ノ木小学校を活用した宿泊型体験学習施設である、星ふる学校「くまの木」の管理・運営です。現在、この施設には年間1万人以上の利用があります(うち宿泊利用は年間のべ約6,000人)。また、星ふる学校「くまの木」及び同施設を活用したわたしたちの取組みは、文部科学省「廃校リニューアル50選」や農林水産省「食と地域の絆づくり優良事例」に選定されているほか、「オーライ!ニッポン大賞」を受賞するなど、特に廃校活用と農村地域の振興の点から高く評価していただいており、これまで全国各地から視察なども多数受け入れています。

 星ふる学校「くまの木」を特徴づけているのは、地元農産物を中心とした食事やこの地域の豊かな自然環境です。この上流部に指定廃棄物最終処分場が建設されることになれば、施設利用を敬遠される方が増え、施設運営が立ち行かなることは想像に難くありません。

 これは、塩谷町における都市農村交流の拠点施設の喪失、雇用の場の喪失、廃校活用で地域内外に活力を湧き起してきた取組みの喪失を意味するとわたしたちは考えます。

 したがって、わたしたちは、当該地区における指定廃棄物の最終処分場の建設は受け入れることができません。

 

2.法人の理念の点から

 わたしたちは、「次世代につながる魅力ある地域づくりへの寄与」と「自然の営みと人々の暮らしが調和する社会の実現」を活動理念としています。

 放射性物質によって汚染された大量の廃棄物を、水源の山に運び上げて埋め立てる今回の最終処分場建設は、この地域の山や川を、近寄りたくない不安の場に変えてしまうものであり、山や川の豊かな恵みを代々受け継いできた地域の暮らしを断ち切るものでもあります。これは、上のような理念を掲げる法人として、とても容認できない事態です。

 したがって、わたしたちは、当該地区における指定廃棄物の最終処分場の建設は受け入れることができません。 

 

                         平成26年8月8日 

 

特定非営利活動法人くまの木里の暮らし 

署名活動ご協力へのお礼

塩谷町民が組織する「塩谷町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会」が行っている署名活動に、当法人も協力し、たくさんの署名をお預かりしました。厚くお礼申し上げます。

同盟会では、目標10万人を超える173,573人分の署名を、環境大臣に2014年10月29日に提出しています。

 

同盟会では、引き続きネット署名を行っています。ご支援よろしくお願いいたします。